事業再構築補助金とは? 特別枠の申請時期や申請方法など解説

事業再構築補助金特別枠イメージ

 

中小企業の事業再編成を支援する助成金、「事業再構築補助金」。この補助金には一般枠と特別枠が存在します。

その特別枠とは中小企業卒業枠、中堅企業グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠の3種類です。

それぞれどんな企業が該当し、いくらまで補助金が受けられるのかを解説していきます。

 

第1章 事業再構築補助金とは?

そもそも、事業再構築補助金とはどういった補助金制度でどれくらいの規模の補助金が用意されているのでしょうか。
その目的や申請条件を紹介します。

 

第1節 事業再構築補助金の目的とは?

「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと」を目的とした助成金です。

予算は1兆1485億円が組まれ、厳しい状況にある中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合などを対象としています。

公募開始後、各企業から申請が行われ、審査された後設けられた予算内で採択が行われます。

補助金の使途としては主に設備投資となり、設備費、建物の建設費、建物改修費、撤去費、システム購入費などに充てることができます。

 

第2節 申請期間はいつ?

第一回の申請時期は、公募要領により以下のように定められています。

 

  • 公募開始……令和3年5月17日頃
  • 申請開始……令和3年5月17日頃
  • 応募締切……令和3年7月末予定

 

申請開始から締切までに設けられている期間は15日なので、早めに申請をするようにしましょう。

 

第3節 申請条件とは?

この助成金に申請するためには、各種条件があります。

新分野展開、事業転換など申請する枠それぞれで異なる条件があるものの、前提となるものは以下の3点です。

 

  • 売上が減少している
    ……コロナ以前の合計売上高と比較し10%以上の減少がみられる(申請前の直近6か月のうち任意の3か月と、2019年または2020年1~3月の3か月を比較)
  • 事業再構築に取り組む
    ……事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う
  • 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
    ……補助金が3000万円を超える場合は金融機関も参加して策定する

 

つまり「新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが減少している企業が、事業再構築に取り組むために認定経営革新等支援機関と事業計画を策定した」という点が最低条件となります。

 

 

第2章 中小企業卒業枠

中小企業卒業枠とは、事業計画期間内に中堅企業・大企業等へ成長する中小企業等を支援するための特別枠を言います。

その定義・申請の条件を紹介していきます。

 

第4節 中小企業卒業枠の定義とは?

中小企業卒業枠とは「事業再構築を通じて資本金又は従業員を増やし、事業計画期間内に中堅企業・大企業等へ成長する中小企業等を支援するための特別枠」と定義されています。

企業の規模を大きくするための助成金です。

 

第5節 必要とする条件は?

中小企業卒業枠は次の3つのいずれかの条件を満たした上、中堅企業・大企業等に成長するための計画を策定する必要があります。

 

  • 事業再編(組織再編要件)
    ……会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行うこと
  • 新規設備投資
    ……新たな施設、設備、装置又はプログラムに対する投資であって、中小企業卒業枠による補助金額の上乗せ分の 2/3以上の金額を要するもの
  • グローバル展開
    ……グローバル展開を果たすための事業(海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業)に取り組むこと

 

さらに、通常枠における各種条件を満たす必要があります。通常枠での条件は新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編それぞれで異なるため、申請したい枠に合わせて確認しておきましょう。

 

第6節 受けられる補助金の額

卒業枠は、通常枠よりも多くの補助額を受けられます。補助額はそれぞれ以下の通りです。

 

補助額 補助率
通常枠 100万円~6000万円 2/3
卒業枠 6000万円超~1億円 2/3

 

手厚い補助金の出る卒業枠ですが、この補助金を受けられる企業数には限りがあります。

400社限定の特別枠であるため、採択されるためのハードルが高い傾向にあります。

また、この中小企業卒業枠で不採択になった場合、通常枠での審査ができない点に注意が必要です。

応募申請は1法人につき1枠となるため、卒業枠での応募で良いか、通常枠にするべきか確認したうえで申請を行いましょう。

 

第3章 中堅企業グローバルV字回復枠

中堅企業グローバルV字回復枠とは、事業計画期間終了までにグローバル展開により事業の大幅な回復を目指すための助成金です。その定義、申請条件を確認しておきましょう。

 

第7節 中堅企業グローバルV字回復枠の定義とは?

中堅企業グローバルV字回復枠とは「新型コロナウイルス感染症によりその事業に大きな影響を受けているが、事業再構築により、事業計画期間終了までにグローバル展開により事業の大幅な回復を目指す中堅企業等を対象とした特別枠」を言います。

中堅企業が対象で、以下の条件を満たしている必要があります。

 

  • 中小企業基本法に定める中小企業に該当しない
  • 資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人
  • 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2000人以下である

 

第8節 必要とする条件とは?

中堅企業グローバルV字回復枠の補助金を受けるためには、各種通常枠の要件に加えてグローバル展開要件のいずれかに取り組む必要があります。

グローバル展開要件とは、海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業の4事業を言います。

 

第9節 受けられる補助金の額

通常枠の補助金よりもその補助額は大きく、比較すると以下のようになります。

 

補助額 補助率
中堅企業通常枠 100万円~8000万円 1/2(4000万円超は1/3)
中堅企業グローバルV字回復枠 8000万円超~1億円 1/2

 

またグローバルV字回復枠は100社限定の特別枠で、以下の要件をすべて満たす中堅企業のみが申請できます。

  • 直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業
  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること
  • グローバル展開を果たす事業であること

 

ただし、グローバルV字回復枠で不採択となった場合は通常枠で審査ができません。

1法人1枠での応募となるため、通常枠が良いか、グローバルV字回復枠が良いか確認して応募しましょう。

 

第4章 緊急事態宣言特別枠

緊急事態宣言により、営業時間の短縮、営業の自粛などの措置で深刻な影響を受けた企業は、この緊急事態宣言特別枠を利用できる可能性があります。この補助金の額や対象を見ていきましょう。

 

第10節 緊急事態宣言特別枠の定義とは?

令和3年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けた中小企業等に適用される、補助率の引き上げが伴う枠を言います。また、もし特別枠で不採択になった場合も、加点の上通常枠で再審査ができます。上記の卒業枠やグローバルV字回復枠などと異なり、

  • 不採択でも通常枠での再審査してもらえる
  • 通常枠での採択率が高くなる

というメリットがある特別枠です。

 

第11節 必要とする条件とは?

緊急事態宣言特別枠では、以下の2点の条件を満たしていれば、地域・業種は問わず採択される可能性があります。

 

  • 緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者であること。
  • 通常時の各申請要件を満たしていること

 

第12節 受けられる補助金の額

補助金の額は、以下の通りです。中小企業か中堅企業か、従業員の人数によって受けられる金額や、補助率が変わります。

 

従業員数 補助金額 補助率
5人以下 100万円~500万円 中小企業:3/4
中堅企業:2/3
6~20人 100万円~1000万円
21人以上 100万円~1500万円

それぞれ100万円以上の補助が受けられ、補助率も高めの設定がされています。

 

第5章 申請においての注意点

事業再構築補助金の申請においては、注意点が3つあります。応募できる枠数について、応募方法について、準備する書類についてです。それぞれ見ていきましょう。

 

第13節 応募できる枠数について

事業再構築補助金において、応募できる枠は1法人につき1つのみです。

そのため通常枠と卒業枠、卒業枠と特別枠、といった併用はできません。

不採択の場合に通常枠での再審査が可能なのは、緊急事態宣言特別枠のみです。

応募する枠はきちんと確認・相談の上決めるようにしましょう。

 

第14節 応募方法について

事業再構築補助金の申請方法は、GビズIDプライムのアカウントを用いた電子申請のみです。

このアカウントの取得には印鑑証明などの取得が必要となり、申請から2~3週間の時間がかかります。

事業再構築補助金の公募期間は約1か月を予定しており、公募が始まってから申請したのでは間に合わない可能性があるため注意が必要です。

事前にアカウントを取得し、申請の準備をしておきましょう。

 

第15節 準備するべき書類とは

事業再構築補助金の特別枠への申請には、以下の書類が必要です。

まず全枠に共通の書類として、以下の6つが挙げられます。

 

  1. 事業計画書
  2. 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
  3. コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
    (申請前の直近6か月のうち、任意の3か月の合計売上高と、コロナ以前の同3か月の合計売上高が確認できる資料)
  4. 決算書
    (直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
  5. ミサラボplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報
  6. 審査における加点を希望する場合に必要な追加書類

 

上記に加え、卒業枠でグローバル展開事業を実施する場合、グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠においては以下の書類も必要になります。

特に緊急事態宣言特別枠は書類が多いので、抜けが無いように注意しましょう。

 

該当する枠 必要書類
卒業枠(グローバル展開事業を実施する場合) 海外事業の準備状況を示す書類
グローバルV字回復枠 海外事業の準備状況を示す書類
緊急事態宣言特別枠 1.      従業員数を示す書類

2.      令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していることを証明する書類

3.      2021 年 1 月~3 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類

 

事業計画書は認定経営革新等支援機関と相談し策定する必要があり、書類の数も多く全てを揃えるのには時間がかかります。

早めに準備に取りかかるようにしましょう。

 

まとめ

事業再構築補助金特別枠は中小企業卒業枠、中堅企業グローバルV字回復枠、緊急事態宣言特別枠の3種類がありました。

そのうち、緊急事態宣言特別枠では採択されなかった場合も通常枠での審査が可能です。

ぜひ認定経営革新等支援機関と相談しつつ、綿密な事業計画を策定し審査に臨みましょう。